立花課長は今日も不機嫌

「あった」


今度は車が来ないことを慎重に確認しつつ、車道へと出る。

ところが、拾い上げた万年筆は、見るも無残な姿に変わっていた。


……嘘。


さっきの車に轢かれたんだ……。


「立花さん、すみません!」


手に載せた万年筆を見せると、立花さんが顔を曇らせる。
けれど、それはほんの一瞬のことだった。


「気にするな」


それを手に取り、胸ポケットへと仕舞い込む。
そして、何事もなかったかのような顔で私を見た。


嘘は吐くし、立花さんの万年筆は壊してしまうし……最低だ、私。


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