【短編】森田当麻の奇妙な休日


半券を持って喜ぶ姿は、まるで幼い子供そのものだ。

そう思うと、当麻が可愛くて仕方なくなる。

「お兄ちゃんも、もう良い歳なんだから、彼女でもつくって行けばいいのに。そういうところ」

「ダメだ。こんな貴重なもの。俺以外の人間には渡さない」

当麻はスーツを脱ぎながら日向に反論した。

……社員のいる前で着替えるって……。

そこで優衣の頭の中にひとつの疑問が浮かび上がる。

< 6 / 56 >

この作品をシェア

pagetop