秘密の記憶は恋の契約
(な、なんでここに山崎さんが・・・!)


口を大きく開けたまま、固まる私と山崎さん。

真依はそんな私たちの顔を交互に見ると、「なになに?」と声をかけてきた。

「もしかして知り合い?」

「うん・・・。今、仕事してる取引先の方」

「えーっ!?ほんとに!?やだー、早速運命感じちゃうじゃない!!」

真依は興奮気味にそう言うと、「じゃ、ここに座って!」と私と山崎さんが向かい合わせになるように、空いている席を勧めてきた。


(まさか・・・こんなところで知り合いに会っちゃうなんて・・・)


しかも、現在進行形で仕事をしている取引先の相手。

綾部くんとだって、関わりのある人だ。

ますます逃げ出したい気持ちになるものの、山崎さんが来た途端に帰るのは感じが悪い気がしてしまい、私は真依に促されるまま、目の前の席に座った。

「じゃあ・・・全員そろったので乾杯しましょ」

テーブルに全員分の飲み物が届き、真依がみんなに声をかける。

それぞれがグラスを手にしたところで、真ん中に座る男性が乾杯の音頭をとった。

カチン、というガラスが触れ合う音が響く中、私と山崎さんも正面に向けてグラスを合わせた。

「おつかれさまです、梅村さん」

「はい・・・。おつかれさまです・・・」


(もう、ここはビジネスの延長ってことで・・・あたりさわりない態度で臨むしかないな)
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