秘密の記憶は恋の契約
単純な私は、山崎さんのような人に「かわいらしい」なんて言われたら、当然悪い気はしないけど。

合コンにおけるイケメンの社交辞令は、さらっと流すのが正解だ。

「あーっ!やっぱり!山崎さん美咲狙いなんだあ。残念ー。そうじゃなければ、私がいったのになあー」

真依はそう言いながら、私を見つめて「ウフフ」と笑う。

「ちょ・・・なに言ってるの!」

「えー、だってかっこいいじゃん、山崎さん」

「そ、そうだけど・・・。じゃなくて!!山崎さんに失礼でしょ!」

仕事でも関係ある男性の、ちょっとした社交辞令。

ここは真に受けて対応してはいけないと、声を抑えて真依をたしなめるけど。

「いや・・・。本当に。仕事でお会いした時から、かわいいひとだなって思ってましたから。

梅村さんが本気にとってくれれば嬉しいですよ」

「えっ!?」

山崎さんに微笑まれ、一気に頬が紅潮した。

「わっ!やだやだー!どうすんの、美咲!」

「ど、どうするって・・・」

「まあまあ。あとは二人で話しなよ」

そう言うと、真依は私の隣の席を立ち、女性側でひとつ空いていた席へと移動してしまった。


(い、行かないでー・・・!)


と、ココロの中で叫ぶものの、そんなことは口には出せない。

隣が空席になった私は、目の前にいる山崎さんとお見合い状態な雰囲気になる。
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