秘密の記憶は恋の契約
「おつかれさまー!二次会行くよー」

約2時間の飲み会が終わり、ドルチェノートの外に出ると、木本さんが手をあげてみんなに声をかけていた。

「美咲も行くでしょ?」

タタタと駆け寄ってきた真依は、私に向かって小首を傾げる。

可愛い仕草に頷きそうになるけれど、私は「ううん」と首を振った。

「ごめん・・・。私は帰るよ。明日も仕事だし」

「仕事って。みんなそうでしょ」

真依が笑う。

この2時間、私と山崎さんは、ほぼツーショット状態で話をしていた。

今現在仕事で関わっている相手との、真正面での合コントーク。

本気参加の合コンならば、対応はまた違うけど。

とにかく当たり障りなく。そして恋愛話に傾くことのないように。

そう考えながらの二時間は、思った以上に辛かった。


(それに・・・)


ずっと頭を離れない、綾部くんのことを思い出す。

二次会に参加するという選択は、私の中にないものだった。

「とにかくごめん。今日は・・・ちょっと無理」

頑なに首を振る私に、真依は「そうー」とため息をつく。

「んー・・・まあ、いま忙しいって言ってたもんね。じゃあ仕方ないかー!残念だけどまた今度ね」

「うん・・・。ごめんね」
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