秘密の記憶は恋の契約
真依と話をしていると、後ろから、「梅村さん」と私を呼ぶ声がした。

振り返ると、斜め後ろにいた山崎さんと、そのまま視線が絡まった。

「送りますよ」

「えっ・・・」

思わずドキンと鳴った胸を、私は必死で落ち着かせる。

「い、いえ・・・。まだそんなに遅くないし・・・大丈夫です」

「路線も同じだし。途中まで送らせてください」

合コン中の会話で、山崎さんとは住んでいる場所がわりと近く、同じ沿線上であることが判明した。

このまま普通に帰るなら、イヤでも一緒になるわけだけど。

「でも・・・山崎さん、二次会は・・・」

「オレも遠慮します。梅村さんを送りたいので」

「!?」

頬がぐんぐん熱くなる。

私は言葉に詰まってしまい、そのまま身体が固まった。

「ちょっと美咲!何ぼーっとしてるのよ!送ってくれるって言ってるんだから、素直に送ってもらいなよっ!」

真依は私の腕をパシパシたたきながら、興奮気味に話する。

「で、でも・・・」

「いいから!・・・じゃ、山崎さん、美咲のことよろしくお願いしまーす」

そう言うと、真依は私の身体をぐいっと押して、山崎さんの腕にピタリとくっつくように寄り添わせた。
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