秘密の記憶は恋の契約
「!!ちょっと・・・!真依!!!」

「すみません!」と言いながら、私は飛び跳ねるようにして山崎さんの傍から離れた。

真依はそんな私のことは気に留めず、「じゃーねー」と言いながら手を振ると、二次会へ向かう他のメンバーの元へと合流しに行ってしまった。


(もう・・・!)


真依に対する怒りを感じながら、どうしようかと戸惑う私。

そんな私の右横で、山崎さんのふっと笑う声がした。

「桑原さんは、強引ですね」

優しい笑顔。

高鳴るような胸を感じて、思わず彼に引き込まれる。

「オレ的にはありがたいんですけど・・・。ああ・・・って言っても・・・。

梅村さんがイヤなら、もちろん諦めますけど」

「い、いえ・・・。その・・・イヤっていうか・・・」

ここで断るのは、とても気まずい。

けれど山崎さんに送ってもらうのは、してはいけないことだと思った。

私は、綾部くんの彼女で、綾部くんのことが好き。

彼の気持ちがわからなくても、それはやっぱり変わらない。

けれど。

ふとしたときに感じてしまう、山崎さんに対するドキドキ。

その感情も否定出来ずに、罪悪感が増していた。


(それに・・・)


この二時間で、私は気づいたことがある。

それは、山崎さんは本当に、私に好意があるということ。
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