秘密の記憶は恋の契約
「桑原さんたち、何時まで飲むんでしょうね」

「さあ・・・。明日も仕事だから、ある程度で解散する気はしますけど・・・」

ゆっくりと、駅までの道を並んで歩く。

ぽつりぽつりとつなげる会話。

合コンでツーショットだったとはいえ、完全に二人きりになった今、私は緊張と困惑でいっぱいだった。

「・・・梅村さん、お酒弱いんですか?」

人気が途切れた暗がりの道。

山崎さんに聞かれた私は、「いえ」と言って首を振る。

「そうでもないです・・・」

「そうですか。さっきあんまり飲んでなかったから。弱いのかなって思ったんですけど」

「弱いって言うか・・・。その・・・酒癖があんまり良くなくて」

「え?」

「いや、あの・・・お話できるようなことじゃないんですけど・・・」

私が口ごもると、山崎さんが「そうですか」と優しく笑う。

「想像できないですね。誰かに絡むとか、そういう感じですか」

「まあ・・・その・・・そういう感じってことで・・・さらっと流しちゃってください」

記憶は全くないけれど。

ゆるキャラといい綾部くんといい、一人で暴れる・・・とかでなく、誰か(何か)を巻き込んでいることは確かだろうと、私は思う。
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