秘密の記憶は恋の契約
過去のことを振り返っていると、山崎さんは、考え込むように歩く速度をゆるめていく。

私はその空気感に、なぜかドキリとして彼を見た。

「それは・・・彼氏になったら見れるのかな」

「えっ・・・」

解けた敬語。

立ち止まって私を見下ろす山崎さんの声音は、突然、甘く囁くようなものに変わった。

「彼氏になると、そういう梅村さんも知ることってできるかな」

「え、あ、あのっ・・・」

上昇する体温。

ドキドキして、混乱して、パニック状態の頭の中。

私は必死に、つなげる言葉を考えた。

「か、彼氏には・・・余計見せたくないですよ!人から聞くと、ほんとにひどいみたいだし」

焦って誤魔化す私を、山崎さんは甘く見つめる。

「・・・そうかな。きっとかわいいと思うけど」

「えっ・・・!?」

このまま、心臓が止まってしまう。

私はそんな危機を感じた。

「・・・梅村さん」

「は、はい・・・」

「・・・オレは、梅村さんの恋愛対象にはならないですか」

山崎さんは、そう言って私の顔を真っ直ぐ見下ろす。
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