秘密の記憶は恋の契約
「誘われて断れなかったとか、梅村さんなりの理由ってあるのかもしれないけど。

彼氏と上手くいってたら、梅村さんは・・・付き合いでも合コンなんて来たりしないんじゃないですか」

「・・・」

合コンだって、わかって行った訳じゃない。

けれど、綾部くんと上手くいっていないことは事実で、私は何も言えなくなった。

「・・・当たってる?」

私の無言を、質問の答えと受け取った彼は、そう言ってメガネの中の瞳を細めた。

「・・・そっか。それなら・・・・・・奪えるなら、奪いたいけど」

「!?」

強引な言葉。

山崎さんから向けられた熱っぽい感情に、私は目を見開いた。

「・・・・・・なんて。梅村さんを困らせるだけですね。

無理矢理奪ったりはしないですよ。でも・・・そう出来たらいいなって、正直、そう思ってます。

彼氏がいるなら、余計悩ませるんだろうけど。オレは・・・梅村さんのことが好きになったから。

だから・・・ゆっくりでいいので、オレのこと、ちゃんと考えてくれますか」

私の心臓は、確実に、一瞬停止したと思う。

驚きと、戸惑いと。

告げられた言葉に混乱を起こして、身体中の熱という熱が、全て放散していくような感覚がした。




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