秘密の記憶は恋の契約
(困った・・・)


困った困った・・・。

帰宅して、ゴロンとベッドに転がった私は、彼氏がいるのに他の男性から告白されるという人生初の事態に、どうしたらいいのかと心底戸惑っていた。


(山崎さん・・・本気で言ってくれたんだよね・・・)


告白されたとき、すぐに返事が出来なかった。

迷いが全くないのなら、きっとあの場で断れたのに。


(うー・・・サイテー・・・)


山崎さんの言う通り、私のココロの隙間には、「入り込む余地」が多分あったのだと思う。

綾部くんとラブラブだったなら、絶対すぐに断って、困って悩んだりしないのに。


(あの二人を天秤にかけるとか・・・。私、絶対に罰があたりそう・・・)


私史上、最高で、最悪にタイミングの悪いモテ期。

経験値が低いだけに、どうしたらいいのかわからない。


(アクアシュガーの仕事が終わるまでには、ちゃんと返事しないとな・・・)


あれから山崎さんとは、同じ電車に乗って、途中まで一緒に帰ってきたけれど。

その間は彼も務めてか、仕事の話題しかしなかった。
< 135 / 324 >

この作品をシェア

pagetop