秘密の記憶は恋の契約
「そ、そうですか・・・!?」

確認はできないけれど、なんとなく自分の頬に触れてみる。

クマは隠しきれなかったものの、顔色は、チークで誤魔化せたと思っていたのに。

「綾部くんにあんまり心配かけちゃダメよー」

「え・・・?心配・・・ですか・・・?」

金田さんの真意がわからず、私はポカンと聞き返す。

すると彼女は「そうだよ!」と言って、私を諭すかのように話し始めた。

「美咲ちゃん、ここのところずっと残業だったでしょ?私から見てもなんかすごくぐったりしてたし・・・。

まあ・・・仕事のことだけじゃないんだろうけどさ。綾部くんと微妙な雰囲気っぽかったし。

でも、綾部くんはずっと気にしてたと思うよ。そんな美咲ちゃんのこと」

「・・・そんなこと・・・ないと思いますけど・・・」

昨日の彼を思い出し、私は即座に否定する。

けれど金田さんは「もう!」と言って、私のことを軽くにらんだ。

「綾部くん、昨日一人で夜中までがんばってたんだよ」


(え・・・?)


「夜中までって・・・。綾部くん、そんなに残業してたんですか・・・?」

「うん。私が残業終わって、会社出るとき23時過ぎてたけど・・・。綾部くん、まだまだかかる感じだったよ」

「えっ!?」


(その時間でまだまだって・・・もしかして・・・徹夜をしたの?)
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