秘密の記憶は恋の契約
「まあ・・・そうだな、思ったより時間かかったんだけど。

全部直ってるから安心しろ。後でまたテストして・・・それで問題なければ、ちゃんと明日納品できる」

「・・・うん・・・」

やっぱり、大変な作業だったんだ。

彼の話し方から、一晩かかったであろう仕事の重みを感じ取る。

「・・・ありがとう・・・。ごめんね。なんか、いろいろ・・・」

「別に。勝手にオレが出来るって請け負って、思ったよりも時間かかったってだけ。

最初から無理だってわかってたら、おまえにも手伝ってもらうつもりだったよ」

「・・・うん・・・」

きっとこれは嘘だって、私はすぐに見抜いてしまう。

金田さんに言われなければ、気づけなかったと思うけど。

彼はいつでも私のために、優しい嘘をついたりするんだ。

「それで・・・。明日OKが出て、アクアシュガーの仕事が全部終わったら・・・ちゃんとおまえと話したい。

佐々木さんのことも、おまえが聞きたいんなら、全部きちんと話するから」

「えっ・・・」

真剣な顔をして、小声で私に話す彼。

その申し出に驚いて、私は言葉に詰まってしまった。
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