秘密の記憶は恋の契約
真依が悪いわけじゃない。

綾部くんとの関係を、私は伝えていなかった。

だから真依を責めることなんて、もちろんできないことだけど。


(タイミング、悪すぎるよ・・・)


真依には正直に、昨日の夜でも今朝にでも、話をしておくべきだった。

無言で固まる私に、綾部くんは氷のような視線を向ける。

「・・・合コン、行ったのか」

「その・・・合コンって知らなくて・・・。呼ばれて行ったら、男の人たちがいて・・・」

支離滅裂。

混乱状態の私は、必死で言い訳してしまう。

「・・・知らなかったって・・・。だったら、わかった時点ですぐに帰ってくればいいだろ」

「そう思ったんだけど・・・」

「知り合いが来たんだよねー」

私と綾部くんの険悪ムードに気づかない真依は、笑顔で話を盛り上げる。

「・・・知り合い?」

「うん!今仕事してる、取引先の人だって」

「・・・山崎さん?」

「そうそう!あ、そうか!綾部くんも、一緒に仕事してるんだもんね。

美咲ね、その人に送ってもらったんだよっ」

ウキウキと話す真依の横で、私は冷汗が止まらない。

考え込むようにしばし無言を貫いていた彼は、パソコン画面を見つめながら、ぼそりと冷たく呟いた。
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