秘密の記憶は恋の契約
(む・・・。いま、絶対に『涼香』って言おうとしたよね・・・)


「・・・よくわかってるんだね、佐々木さんのこと」

「まあ・・・知り合ってからは長いからな。

ああいう・・・相手を貶めるようなことをする人ではなかったから。

言い訳にしたらいけないんだろうけど、そういう事情があったんだなって、正直ちょっとほっとした」

「ふーん・・・」

私はなんだかおもしろくなくて、ぶっきらぼうに相槌をうつ。

すると彼は嬉しそうに、私のことをにやにや見つめた。

「なんだよ。やきもちか」

「!?ち、違・・・」

「認めろ認めろ。もうそういう関係だろ、オレたち」

「でも・・・違うから!!」

言い当てられたことが悔しくて、私はプイッと顔を背ける。

そのまま一人で歩き出そうとした私の腕を、彼はすぐさま捕まえた。

「・・・だから。意地張ってても、全部顔に出てるって」

「うそだ」

「ほんと。『完全にやきもちです』って、ほっぺにでっかく書いてあるぞ」


(!?)


「もう!そんなわけないでしょ!」
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