秘密の記憶は恋の契約
「・・・色っぽいな、ここ」

呟くと、綾部くんは、私のうなじにキスをする。

甘く痺れる感覚。

耐え切れなくなった私は、小さく声をあげながら、彼の胸に顔をうずめた。

「・・・かわいーな。おまえ、ほんとに・・・」

私のことをぎゅっと抱きしめ、真後ろにあるベッドへと、彼は私を引き上げた。

そのまま身体を重ねた彼は、私のことをとろかすような瞳で見下ろす。

再びキスを重ねながら、彼は私の浴衣の襟を、広げるように手をかけた。

次の瞬間。

「きゃ・・・!」

一瞬にして、私の胸元は左右に大きく開かれた。

私は思わず首をすくめて、胸元を隠すように咄嗟に浴衣の襟をつかんだ。

「・・・今更抵抗されると、結構困るんだけど」

綾部くんは、戸惑うように動きを止めて、私のことをじっと見下ろす。

私は襟を握ったまま、彼に向かって訴えた。

「て、抵抗っていうか・・・だって・・・乱暴な感じだったから」

「は!?乱暴って・・・。そんなつもりは全くないけど」

「つもりはなくても・・・そう感じたんだもん。もっとこう・・・優しくしてほしいよ」

私がおずおず呟くと、綾部くんは眉間にぎゅっとしわを寄せ、困ったような顔をする。

「・・・してるだろ、十分」

「してないよ!すごく強引な感じだったから」

「・・・」
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