秘密の記憶は恋の契約
静止したまま、私を見下ろす綾部くん。

私は顔を火照らせて、素直な想いを口にした。

「もっと・・・もっとがいいの。綾部くんが、もうこれ以上できないってくらいに。もっと・・・もっと、ちゃんと・・・優しくして」

ねだるように、彼のことをまっすぐ見つめた。

雰囲気に酔っているのか。

それとも。

抑えていた願望が、たまらず溢れてしまったのか。

どちらかなのか、両方なのか、それは全くわからないけど。

いつもの私が言えないことを、今の私は不思議なくらい、素直に彼に伝えていた。

「・・・ゼータクなやつだな」

綾部くんが、目を細めながらふっと笑った。

その表情は、呆れているようで、でもなぜか、とても満足そうな笑顔に見えた。

「意地張ってるときもかわいいけど。甘えられるのはもっと好き」

そう言って、彼は再び私に甘いキスをした。

それは、さっきよりも繊細で、極上に優しいキスだった。

それからは。

綾部くんは、私の願ったその通りに。

ううん。もっと、それ以上に。

どこまでも優しく、私のことを愛してくれた。









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