秘密の記憶は恋の契約
なおもニヤつく私を見ながら、綾部くんは怪訝そうな顔をする。

私は「いいの」と呟いて、それ以上の気持ちは伝えず心の中に隠しておいた。

「でも・・・なんか可笑しいね。私たちもだけど・・・最終的に、みんな同期でくっつくなんて」

嬉しさが連鎖して、私は先ほどの同期会のことを思い出す。

「ね?」と同意を求めると、彼は「ああ」と軽く頷いた。


(あ・・・。『最終的に』なんて、まるでもう結婚が決まってるみたいかな・・・)


「な、なんて!最終的かどうかなんて、詩織たち以外はまだわからないもんね!」

素っ気なく感じた彼の態度に、私は「へへへ」と笑って慌てて言葉を継ぎ足した。

すると綾部くんは怒ったような顔をして、私のことをジロリと睨んだ。

「・・・なんだよ。美咲はまだ、他の男に興味があるのか」

「え!?」

「オレはもう、おまえ以外の女には興味なんて全くないけど。

だから・・・美咲もオレが最後だって、いますぐここで、即座に決めろ」

「え、えっ!?」


(な、なになに!?これってまさか・・・!)


「プ、プロポーズ!?」

驚いて、思いっきり声が裏返る。

綾部くんは「ぷっ」と笑って、私のおでこを指で押す。
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