秘密の記憶は恋の契約
「わー」

生クリームが添えられたチーズケーキもさることながら、私はカフェラテに描かれたイラストに、思わず感激してしまう。

「ネコだー。かわいい!」

白と茶色の泡の中。

にっこりと笑ったネコの顔に、私はたまらず笑顔になった。

「やっぱ好きなのか、ネコ」

「うん。昔、実家でも飼ってたし」

「ふーん・・・」


(かわいいなー。飲むのがもったいないけど・・・。あ!写真でも撮っておこうかな)


そう思って、スマホを取り出そうとカバンをごそごそしていると。

「うわ!」

隣から、綾部くんの叫び声。

「どうしたの?」

驚いて彼を見ると、コーヒーミルクのポットを持ったまま、ショックを受けた様子で固まっていた。

「ネコ描こうと思ったんだけど。失敗した」

「え?」


(描くって・・・コーヒーに!?)


「やだ!カフェラテじゃないんだから、描けるわけないじゃん!」

「・・・そう思ったんだけど。うっかり描けたら、おまえが喜ぶかなって」

「や・・・無理だよ。コーヒーとミルクじゃ」
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