最高の恋の見つけ方
「猫缶があったらなぁ」



「残念」



葵くんがふいに、私に猫のキスをしてきた。一瞬のキス。



「やわらかい」



「誰と比べてるの、絵里?」



がっかりした顔で笑う葵くん。



「葵くんの唇は、ぽてっとして女の子みたい。女の子とキスしたら、こんな感じなのかな?」



「絵里の唇も、柔らかかったよ」



「そうなんだ、じゃ、一緒だ」



「あ、ほらほら、あっちに黒ボブがいるよ」



「こっちは雉トラ」



あっちこっちになでに行く私と葵くん。猫が大好きな私たちは、昔から二人でこの海の町に来ていた。










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