最高の恋の見つけ方
「絵里と海に来たのって、初めてだな」


純は少し後ろを歩いている私を振り向いて、手を差し出してくれた。

いつもだったら嬉しい純の優しさだけれども、今日は複雑だ。



「由比ガ浜の花火は?」


「ああ、俺たちの出会いの場所ねって、もちろん覚えてるよ、デートで来たのは初めてだなって思って」


「じゃあ、何か、最初で最後になっちゃったね」



純は仔犬を見るような優しい目で、私を見た。




「まだ、彼氏と続いてたんだ?」



「ごめんなさい」


「もう、決めたの?」



「決めた」


「どうしても別れたい?」


「葵くんは、私がいないと駄目なの。純は、私がいなくても、大丈夫だから」



突然、純は私をきつく抱きしめた。



「そんな奴、止めろよ」


強引に唇を奪われて、足元がふらついた。



「俺の事だけみてろよ」


こんなに切なそうな純の顔を初めて見た。



「ねえ、純、私たちが初めて結ばれた時の事、覚えてる?」




「忘れないよ、絵里が凄く綺麗だったから」


少しかすれた声で、純が応えた。






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