黄昏と嘘

「わかんない。
でも確かめたいことがあるから」

「確かめる・・・?」

立ち上がるチサトを見上げながらカノコは不思議そうな顔をして尋ねる。
余計なことを言ったかも、そう思いながらチサトは立ったままお茶を飲む。
これ以上、突っ込まれたくない、とにかく急いでいる、ということを彼女に態度ででも伝えたかった。
その時、初めてカノコの表情を見たがなんだか疑わしい表情をしている。
座ってチサトを見上げるカノコと立ってカノコを見るチサト、そのままふたりの間に言葉がなく居心地の悪い時間が過ぎる。

「ふーん・・・」

肘をついてカノコがため息つくような声で返事をして納得したようなしないような顔をする。


ヤバいな。
このままだと今の住処のこと、聞かれるかも知れない・・・。


今、それだけは聞かないでいてほしい、話すのならちゃんと自分の中でいろいろまとまってから、そう思ったが。
しかしそれもそううまくいくことなかった。


「じゃ・・・」

チサトがそう言ったと同時に彼女は座ったまま立っているチサト腕をグッと掴んだ。

「え?
ちょ、カノコ・・・」

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