黄昏と嘘
チサトは我に返り、DVDを借りる、という本来の目的を思い出す。
「えーっと・・・」
チサトはたくさんあるDVDの棚から目的のものを探す。
ひとつづつ丁寧に指でたどりながらタイトルを確かめてゆく。
そしてあるひとつの作品のDVDでその指が止まる。
「愛情物語」
チサトはそのDVDを手に取り裏の映画のあらすじと解説を確かめる。
そして下の方にその映画内で使用された曲名が記されていた。
「夜想曲(ノクターン第二番変ホ長調)」
・・・これだ。
先生が弾いていたのはきっとこの曲のはず。
チサトはIDカードを取り出しながら貸し出しカウンターへ向かい、カードをスキャナに通してDVDを借りた。