黄昏と嘘

「だって・・・。
キッチンにある道具がかなり凝ってるっていうか。
お鍋だって何種類もあるし包丁も・・・。
それにそのオーブンだってかなり本格的なもんじゃないですか?」


そうチサトは言ったものの、これでは道具を褒めただけで彼を褒めたのではないからまた意味が違うのではないか。
そう思い何か別のことを、そう思い、言葉を続けた。


「先生、ほとんど料理しないって言ってたのに・・・。
もしかしたら料理が得意・・・、」


何気なくさっき料理を作る前にもしかしたら、そう思ったことを聞こうとした。


「・・・余計なことだ」


アキラの手が止まる。
そしてチサトの声を遮り、小さな声で答えた。
明らかに彼の声のトーンが変わった。


「え?」


チサトはアキラの言葉がはっきりと聞き取れず、アキラのほうを見てもう一度、聞き返した。
彼はただ手を止めてテーブルをじっと見つめていた。

そんな彼の姿にチサトはなにかいけないことでも言ったのだろうか、
そう思ったが思い返してみてもそんなに機嫌が悪くなるようなことを言ったようには思えなかった。


「先・・・生・・・?」



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