黄昏と嘘

いつの頃からだろう、少しずつ、微妙に、私たちはずれていっているように思える・・・。


リョウコはテーブルに飾ったガーベラを見つめながら思う。

時計の音だけが響く部屋。

開いた窓から入る、春の夜風で花びらが少し揺れる。
花屋での昼間の出来事を思い出したせいか、リョウコはいっそう、寂しく感じた。


いつの間にかもう日付も変わり、時計は夜中の2時を針は差している。

なのにまだアキラは帰ってこない。




……ガタン、

玄関のほうからの物音でリョウコは目を覚ます。
どうやらアキラを待ってそのままテーブルにうつぶして眠っていたらしい。
彼女は眠たい目をこすりながら玄関まで彼を迎え出る。

玄関ではちょうど疲れた表情のアキラが靴を脱いで部屋にあがるところだった。




< 247 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop