クールガールと獣《ケダモノ》くん
そして着いた場所。


「ラブホ?」


「髪、ワインだらけだし
シャワー浴びれるんだし、最適の場所じゃね?」


「まあ…」


お酒がそんなに強くない
私には、ワインくさい体は正直きつかった。


部屋に入って、
佐原恭二はタバコを吸っていた。


その間にシャワーを浴びた。


こんなやつと、まさかラブホなんかくるなんて…


つうか、何でスーツなんだ?


ホストか?


「ふーん。スタイルいいんだなー」


「何してんの…」


タバコを吸っていたはずの佐原恭二は、何故か風呂場の入り口にいる。


「なんとなく。」


「見ないでよ。」


「何で。
別に体見られるくらい平気だろー。」


「あんたは嫌だ。
消えて。あっちいけ。」


「っケチー」


獣。



さっきの服に着替えて
部屋に戻れば、恭二は電話をしていた。


「あーはいはい。
もう少ししたら行きまーす。わかってまーす。それじゃ…」


用があるなら、何故ここにいるの…


「行けば?」


「え?」


「用があるんでしょ?」


「あー。大丈夫。
もうとっくに遅刻ー。
店長、キレてたわ。ハハハ。」


遅刻?


店長?



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