願う場所、望む奇跡



それを、寂しいと思った。

彼氏がいるのにそんなことを思ってはダメだと思うけど、寂しさだけは消えてくれない。

嫌われたくないという想いが心を支配していた。


そんな想いはあるのだけど、状況は変わらない。

私から話しかけられないのだ。

何度か話しかけようとしたけど、冷たい目で見られて怖気づいてしまう。

そんなこともあって、話さない日が続いた。

母親が間に入ったところで、それは変わらなかった。


それを見かねて、母親は私と義哉に2人で出かけてくるように言った。



「ちょっ、お母さん」


「いつまでもうじうじしてんじゃないの。早く仲直りしなさい。
家の中の空気が悪いのは嫌だから」



それは、分かっていたことだ。

私たちの会話がないことで、お母さんが板挟みになっていること。

義哉の笑顔が作り笑いだということ。

分かってはいるんだけど、何に怒っているのか分からない私は、謝ることさえ出来ない。



「……行くよ、姉さん」




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