願う場所、望む奇跡



私がオロオロしていると、義哉が立ち上がってそう言うと歩き出した。



「え?あ、はいっ」



戸惑いながらも、後ろへついていく。



「帰り、買い物してきてね」



にっこり笑ってメモを渡したお母さんを見て、ため息が漏れる。

結局、コレが目的だったんじゃないだろうか。

呆れつつも義哉と外に出た。

なんだかんだ言って、2人で出かけるのは初めてだった。

一緒に歩くことすら緊張する私には、一緒に出かけることはハードルが高すぎたんだ。


とはいえ、今の状況は別の意味で緊張する。

家から出てから、一言も話さないのだ。

隣にも立てず、少し後ろを歩いている。

やっぱり、一緒に出かけるのは嫌だったのだろうか。

お母さんに言われて仕方なくなのだろうか。


そんなことを思ってしまって、居心地が悪かった。

それでも、初めてのお出かけをやめたくはない。

何か言って険悪な雰囲気になりたくはない。




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