願う場所、望む奇跡
何で急に空気が変わったのか分からないけど、義哉の質問に静かに頷いた。
「ふーん……仲良いんだ」
彼氏なんだから当たり前だと思う。
それ以前に、同期なのだから話しはしていたし。
だけど、軽く返せる雰囲気ではない。
どうしたらいいのか分からない。
「夏希は、残酷だよな」
久しぶりに名前を呼ばれた気がして、心臓が高鳴る。
それと同時に、切なそうな表情にも心臓を鷲掴みにされる。
「さっさと彼氏なんて作って、幸せそうに笑っているなんて」
義哉が何を言おうとしているのか分からない。
なんだか、まるで嫉妬しているようにも見える。
イヤ、それは私の妄想だ。
そんなことあるはずがないのだから。
そんなことを考えていると、掴まれている私の手を引かれた。
思ってもみないことで、自分で踏ん張りがきかず、義哉の胸に飛び込む形となった。
私はすぐに離れようと胸を押すように手を置いたけど、その瞬間に抱きしめられてしまう。