願う場所、望む奇跡
「え……?ちょっ……」
今の状況に頭がついていかない。
さっきまで空気が重くて冷たかった。
そんな甘い雰囲気はどこにもなかった。
とはいえ、空気が変わった訳じゃない。
「俺が悪いの?俺がいけないの?
……分かっているよ。だけど、コントロール出来ないんだよ」
苦しそうに呟いているけど、私には何を指しているのか分からない。
だけど、その声に胸が締め付けられる。
そのため、抱きしめられている腕の中から抜け出すことが出来なかった。
そんな時、少しだけ体を離された。
不思議に思って少し見上げた。
すると、顎を掴まれ持ち上げられた。
「……謝らないから」
状況を把握する前に、そう呟かれた直後、唇が重なった。
それも、触れるだけじゃない。
食べられてしまうんじゃないかってぐらい深い。
ようやく頭が追いついた私は、なんとか抜け出そうとする。
だけど、片手は頭の後ろへ、もう片手は腰に回っていて逃げ道はなかった。