願う場所、望む奇跡
これが夏希ならドキドキするんだろうけど、寒気がするだけ。
価値が下がるの意味が分かんねぇ。
コイツの方が下がると思う。
それに、キスが上手いとか付き合う基準に入らん。
「まぁ、何はともあれ、バラされたくなかったら付き合うしかないんだよぉ」
俺の肩を掴み、顔を近づけてくる。
正直言って、いつかバラされるのは構わない。
姉弟だろうが、俺自身悪いことをしているとは思わないから。
でも、今は時期が悪い。
夏希に自分の気持ちを伝えていないのに、周りにバレるのはマズイ。
俺は、顔をそむけ、肩に乗っている女の手を避ける。
「簡単にキスするような女は嫌い」
そう言うと、怪訝そうな表情をする。
「コレ、バラすよ?」
写真を見せながらニヤリと笑う。
まずは、この写真のデータ削除だよな。
「そうやって脅さないとダメなら、付き合わない方がいいと思う」