願う場所、望む奇跡
「今すぐ、バラすっ」
「分かってねぇな。無理やりしようとしなきゃ、言う通りにするって言ってんのに」
「本当?」
作り笑顔に対し、女は満面の笑み。
仕方ねぇんだ。
データ削除のため、そう割り切っていくしかない。
「やったぁ」
喜びの勢いで、俺に抱きついてきた。
だけど、すぐにはがす。
「抱きつくのもダメ。俺、女嫌いだから」
「分かったぁ。あたしだけを好きにならせるっ」
キラキラと目を輝かせて言うけど、どんなに頑張っても無理。
俺は、夏希以外を好きにはならない。
そして、夏希以外とキスもそれ以上のこともしない。
この女とは、ただいるだけ。
嬉しくて何も頭に入っていないようで、俺との会話に疑問を持つことさえしない。
普通付き合えば、抱き合うしキスもする。
それをしないって言ってんのに、何でとは言わない。