願う場所、望む奇跡



さっき言ったことを分かっているみたいで、腕を掴むのも遠慮がちだった。

そこは、意外だったな。

俺が何を言っても、抱きついてキスしようとしてくるんだと思った。



「あんたは授業に出た方がいい」



なるべく機嫌を損ねないように、優しく言う。

そうすると、コイツは素直に聞いて教室へ戻っていく。

順応なヤツ。


さて、これからが面倒だ。

噂はすぐに広まるだろうし。

かと言って、データ持っているうちは付き合うふりを続けないといけない。

とりあえず、悠弥には前もって言っておこう。

噂から知られたとしても、夏希を好きだと知っているから本気じゃないと分かるだろうけど。

一応、メールで知らせておいた。

驚くかもしれねぇけど。



それから数日後、学生ってのはそういう話ししかしないのだろうか。

すぐに、付き合っていると広まった。

最初こそ、2人でいてもまた女が張り付いていると思われただけだった。

けど、女が言い触らし、俺が否定しなかったら、あっという間に広まった。




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