願う場所、望む奇跡
「当たり前。いつまでもいる訳ねぇし」
「その間に、夏希さんと逢わないといいな。逢ったら、あることないこと吹き込まれるかもよ」
笑いながら言うけど、現実になりそうで怖いわ。
それでも、逢わないようにはしている。
あの女とは、お互いの家には行かないようにしているし、近づくこともしていない。
帰る時間に、夏希が出歩くことなんてありえないけど、一応は気を付けている。
「まぁ、義哉なら大丈夫だと思うけど。
それにしても、悠長にしているね」
「悠長?何が?」
悠弥の言っている意味が分からなくて、首を傾げる。
「データ消去。付き合いを始めて数日経っている。義哉にしては、遅すぎるよね」
さすが、俺のこと分かっているよな。
確かに、1日2日もあれば出来ることだ。
「意外と隙がねぇんだよ。ヤる訳じゃねぇし、泊まる訳もねぇし、携帯を放すことがなくて」
「なるほどね。
ホテルでも行って、シャワー浴びている間に消去して帰って来れば?」