願う場所、望む奇跡
「んー、やっぱりただのバカか。
それでも、協力が必要なら言って。いくらでも協力するから」
ありがたい悠弥の申し出を頭に入れておいた。
隙が出来なきゃ、作るまで。
悠弥じゃなくても、他のヤツを利用して作るだけ。
だけど、やっぱりのんびりしている場合じゃなかった。
狭い街なんだから、どこかで逢ってもおかしくなかったのに。
「あっ、義哉くんっ。夏希ちゃんだ」
それは、あの女と一緒に帰っていた時のことだ。
急に女が言った。
イヤイヤ、こんな時間にいる訳ねぇしと思いながら、女が指差す方を見た。
そしたら、驚いた表情でこっちを見る夏希がいた。
隣には、莉亜さんが一緒だった。
「あれー?義哉くんじゃん。久しぶりだねー」
明るく言う莉亜さんに、俺は曖昧に笑うだけ。
視線は夏希を捉えたまま離さない。
「隣の子、誰?まさか……彼女じゃないよね?」
なぜか怪訝そうに莉亜さんが聞く。