願う場所、望む奇跡
しかも、彼女とは断定されないらしい。
俺はそれでいいけど。
「初めましてぇー。義哉くんの彼女です」
相変わらず甘ったるい声で言う。
莉亜さんの表情が、どんどん崩れていく。
その上、心の声が聞こえてきそうだ。
“え?アンタが?”
そんな表情をしている。
だけど、この女は気づいていない。
めでたいヤツ。
「義哉くんのお姉さんですよね?」
「え?あ……うん」
急に話しかけられた夏希は戸惑っている。
「義哉くんから、よく話しは聞いているんですよぉー」
アンタ、何言ってんの?
アンタの前で夏希のことを話したのは1度もない。
だいたい、会話だってほとんどないのに。
「仲が良いみたいで羨ましいですー。あたし、1人っ子だから。少し良すぎるみたいですけどー」
「は?」