願う場所、望む奇跡



「まぁ、いいや。ところでご飯は?」


「え?あ、食べていないです」



結局、今日何していたかあまり覚えていない。

別れの言葉ばかりが頭の中を回っていて。

いい匂いにつられて、現実に引き戻されたような感じだ。



「じゃあ、食べる?たいしたもの作ってないけど」


「えっ?作ったの?……お母さんは?」



確か、お母さんは仕事が休みで、1日家にいるとか言ってなかったっけ?



「呼び出しくらったみたい。だから、帰ってくるの遅い」


「そ、そうなんだ……」



さっきまで松本くんといて、別れて、義哉とのことを話していたのに、家に帰ってすぐ2人きりとかヤバイ。

だからと言って、逃げるようにここを去る訳にもいかないし、お腹すいたし。



「夏希、出来たよ。食べよう」



色々考えていたけど、今出かけても不自然すぎる。

だから、大人しく席についた。




< 173 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop