願う場所、望む奇跡
「まぁ、いいや。ところでご飯は?」
「え?あ、食べていないです」
結局、今日何していたかあまり覚えていない。
別れの言葉ばかりが頭の中を回っていて。
いい匂いにつられて、現実に引き戻されたような感じだ。
「じゃあ、食べる?たいしたもの作ってないけど」
「えっ?作ったの?……お母さんは?」
確か、お母さんは仕事が休みで、1日家にいるとか言ってなかったっけ?
「呼び出しくらったみたい。だから、帰ってくるの遅い」
「そ、そうなんだ……」
さっきまで松本くんといて、別れて、義哉とのことを話していたのに、家に帰ってすぐ2人きりとかヤバイ。
だからと言って、逃げるようにここを去る訳にもいかないし、お腹すいたし。
「夏希、出来たよ。食べよう」
色々考えていたけど、今出かけても不自然すぎる。
だから、大人しく席についた。