願う場所、望む奇跡



「えっと……何?」



遠慮がちにそう聞いてみるけど、返事は返ってこない。

だけど、腕は外れない。

そんな状態で、ドキドキは止まらない。

せっかくお風呂入ったのに、汗かいちゃう。

そんなどうでもいいことを思ってみる。

じゃないと、心臓が持たなかった。



「話しがある」



そう言ったかと思えば、私の腕を引き歩き出す。

どこへ連れていかれるかと思えば、着いた先は義哉の部屋だった。

部屋に入れられ、ドアを閉められたら密室だ。

そんな中で話しなんて、私に出来るはずがない。



「座って」



どうしていいか分からずに立ったままでいる私に、そう言った。

座れって言われても……。

義哉は勝手にベッドに座っている。

それを見て、私はテーブルを挟んだ向かいに座る。

食事の時と同じように向かい合っているだけなのに、さっきより空間が狭いせいかドキドキが止まらない。

全身が熱い。




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