願う場所、望む奇跡
「夏希」
そう名前を呼ばれるだけで、ドキドキする。
自分の名前なのに、義哉に呼ばれると特別なものに聞こえる。
やっぱり、松本くんとは違う。
松本くんの時は、そんなこと思わなかったのに。
そう考えると、本当に失礼なことをしていたんだなと思う。
「遠回しに言うの嫌だから、単刀直入に言うよ」
いつの間にか、ベッドから降りて私の隣に来ていた。
触れるか触れないかぐらい近くて、緊張はマックスだ。
「俺、夏希のことが好きだよ」
「……え?」
思ってもみないことを言われて、少し思考が停止した。
好きと言われた気がする。
「……それは、姉として?家族として、だよね?」
「違う。1人の女性として」
確認するように聞いたら、即否定された。
同じ気持ちだと言うのだろうか。
イヤ、そんな訳がない。