願う場所、望む奇跡
「そんなこと言われて諦めるんなら、とっくの前にやめている。
俺は、姉さんを好きになった訳じゃない。夏希を好きになったんだから」
同じ想いのくせに、なんとか逃げようとしている。
でも、真っ直ぐに伝えて来る義哉に負けてしまう。
「夏希を好きになって5年経つけど、その間他の人を好きになることはなかった」
「……え?5年?」
私たちが再会して、まだ数ヶ月。
1年も経っていないのに。
その前は、もう幼い時。
私は覚えていないんだ。
「俺、中学の時に夏希を見ているんだ」
「……え?中学の時って、どうして?」
「父さんと母さんが手紙のやり取りしていて、そこに住所が書いてあった。
夏希の写真もあって、それを見たら逢いたくなった」
離婚してもなお、連絡は取っていたんだ。
しかも、手紙という古風なやり方で。
そんなこと、初めて知った。
そもそも、2人が離婚した理由は未だに分からない。