願う場所、望む奇跡
「あたしを覚えているの?」
「もちろん覚えていますよ。何度かお逢いしましたよね?」
そんなことをまた、極上の笑顔で言う。
莉亜は、ほんのり顔を赤くして笑っている。
彼氏がいても、こうやって赤くなるほどの相手なんだ、と改めて思った。
「でも、まさか姉さんと友達だとは思いませんでした」
「高校の時から友達なんだよ。夏希先輩、面倒見がよくて人気者だったんだよ」
「ちょっと、莉亜っ」
莉亜があまりにも私を持ち上げるから、恥ずかしくなって慌てて莉亜を止める。
その様子を、義哉は笑って見ている。
「ちょっと、玄関先で何をやっているのよ。ご飯、冷めちゃうわよ?」
痺れを切らしたのか、母親がダイニングから顔を覗かせた。
「あ、お母さん、ごめん」
「ごめんなさい、おばさん。またお邪魔します」
私が謝ると、隣から莉亜も謝った。
「莉亜ちゃん、いらっしゃい。さぁ、こっちへ来てご飯食べましょう」
莉亜の言葉に、母親は笑顔で返す。