願う場所、望む奇跡



覚悟してって言ったくせに、一応確認はするらしい。

大丈夫、後悔なんてしない。

人には理解されないことでも、犯罪を犯している訳じゃない。

この先何があっても、大好きな人と一緒なら乗り越えていけるから。

私は、ゆっくり頷く。



「あ、でも、ゆっくりね……」



覚悟はしてきても、怖くない訳じゃないから。


義哉は優しく笑ったあと、ゆっくりと腰を進める。

その合間には、甘いキスをして痛みを逃がしてくれた。

そうやっていくうちに、何も考えられなくなる。

何もかもが甘くて、溶けてしまいそうだった。

今まで感じたことがない幸福感が訪れた。



「夏希……愛しているよ」



意識を飛ばしそうな時、そんな声が聞こえた。

私だって、愛している。

1人の人間として、男の人として。

今までに抱いたことがないほどに、好きになっている。

もう絶対に手放せないほどに。

この幸せが長く続きますようにと、心の中で祈ってしまうほどに……。




< 212 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop