願う場所、望む奇跡
そのとたん、じっと見ていた義哉と目が合ってドキッとする。
さっきまで大胆なことをしていたのに、それでも慣れない。
「あのさ、この先のこと。真剣に話そう。
家では母さんいるし、こんな時じゃないと話せない」
そうだ、赤くなっている場合じゃない。
真剣な話しをするんだ。
甘い空気は、1度置いておかないと。
じっとしていても、義哉の卒業はそこまで来ている。
色々変わるとしたらこの時だから、早くから話しとかないといけない。
「何の相談もなしに勝手に決めて悪いけど、俺、県外で就職決めた」
「えっ?……県外?」
それって、卒業したら離れるってこと?
隣にいることも許されないの?
遠距離なんて、絶対続かない。
付き合うのが初めてなのに、出来る訳がない。
せっかく想いが伝わったのに、別れることになるの?
「夏希……さっきも言ったでしょ。話す前から泣きそうな顔しないって」
今度は、頭を撫でながら困った顔をする。