願う場所、望む奇跡
呆れるようにそんなことを思っていると、1人の女の子が近寄って来て手を出してきた。
とは言え、私に対してではない。
義哉の腕に絡めようとしたのだ。
だけど、それは叶わなかった。
義哉が寸前で避けたからだ。
そのため、女の子は体勢を崩してそのまま倒れてしまった。
「さぁ、帰ろうか」
「えっ?あ、あの……」
倒れた女の子に見向きもせず、私の手を取り歩き出した、
その瞬間、また心臓が高鳴る。
「ちょっと、義哉くんっ」
倒れた女の子が手を差し伸べているが、その手を取られることはなかった。
私はいいのかなと思っていたけど、手を繋いでいるために立ち止まることは出来なかった。
女の子たちはみんな、悔しそうに私を睨んでいた。
嫌いな子だったのだろうか。
だったらなぜ、一緒にいたのだろう。
不思議に思いながらも、何も聞けなかった。
元々、私からは話しかけられなかったから。