願う場所、望む奇跡



それでも、家に帰るまでの約10分間は他愛もない話しをしていた。

気を遣ってか、義哉が話しかけてくれた。

私も目は合わせられないけど、以前に比べて話せた。

2人なのだから、答えないと変に思われる。


ただ、ずっと鼓動が早かった。

それは、ずっと繋いだままの手のせいだと思う。

今まで男の人と手を繋いだことがないのだから、ドキドキしっぱなしだった。

話しながらも、汗かいてないか不安だった。

それも、家に入ったとたん放されてしまう。

何事もなかったかのように。

それに少しだけ寂しさを感じた。

もっと温もりが欲しかったとか思った。


弟が相手なのに、こんなことを思うのはおかしいのだろうか。

そもそも、兄弟がいた経験がない私は、何が普通でそうじゃないのかが分からない。

ドキドキして目も合わせられないことが異常なのかも分からない。

それはただ単に、イケメンに免疫がないからかもしれない。

無理やりそうだと納得させてみた。




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