願う場所、望む奇跡
「俺が、あまり父さんと似ていない理由が分かったよ」
「義哉は父親似だったからね。うちの家系とは、少し離れていたかも。夏希は私似だけど」
似てようが似てまいが、私たちは家族だった。
10歳までしか過ごしていないし、それも数年だったけど、4人で仲良くやっていた記憶はある。
温かい家族だった。
実の父親じゃなくても、血の繋がりはある。
ここまで、1人で義哉を育てた。
立派な父親に違いはない。
「さっきから思ったけど、俺らの名前って母さんがつけた?」
「あ、バレた?」
照れくさそうにおどけている。
どういう意味だろう。
私たちの名前って、夏希と義哉?
「夏希、母さんと父さんの名前を思い出して」
私だけが分かっていないのに気づいて、義哉がヒントを出す。
えっと、お父さんがさっきから出ていたけど、直哉でしょ。
お母さんは確か、春奈だっけ。
直哉に春奈、夏希に義哉。
……あっ、もしかして。