願う場所、望む奇跡
「やっぱり、義哉は鋭いわね。私と直哉に似せた名前にしたのよ」
やっぱりそうなんだ。
お父さんと義哉は哉が同じで、お母さんと私は季節か。
「名前は、両親への抵抗もあったのよ。男は興味なかったし。私が好きだったのは直哉だけだったから」
その気持ちは分かる。
私だって、結局は義哉以外好きになれなかったのだから。
「聞いていい?」
少しだけ遠慮がちに義哉が言う。
「何でも答えるわ」
にっこり笑うお母さんは、どことなくすっきりしている。
「身重でどうやって逃げれたの?それに、引き離されたあと、父さんはどうしていたの?」
「実は、病院内に知り合いがいてね。その人に助けてもらったの。定期健診の時、それしかなかったから。
直哉とは、連絡を取っていたわ。ただ、引き離された時点で直哉は勘当。兄の存在はなかったことにされた。所在の把握すらされなかった」
「だったら、父さんは動きやすかったってこと?」