願う場所、望む奇跡
だって、家ではいつも笑顔で優しい。
口が悪いこともなかった。
それは、莉亜が来た時も同じだ。
でも、昨日見た義哉は違っていた。
冷たい目をして、一切話すことがなかった。
ただそれは、一緒にいた子たちに何かされたせいだと思った。
「悠弥に聞いたんですけど、好意を持つ人には優しいけど、それ以外はどうでもいいみたいです」
「それって、極端すぎない?」
「そうなんですけど、面白いですよ。あたしも見たことがありますけど、同級生とか綺麗にスルーですから」
その光景を思い出しているのだろう。
莉亜は、笑いながら言う。
私も昨日のことを思い出す。
確かに、綺麗にスルーされていた。
同じ空間に存在しないような扱いだった。
「そんな訳で、あたしたちは特別なんです。
夏希先輩は家族ですし。あたしは、悠弥の姉であって夏希先輩とも友達だから好意の方なんですよ」
莉亜の言葉に、なぜかドキッとしてしまった。