シークレットガール!【完】


****


正気を取り戻しました。


うん、色々恥ずかしいことをしましたよ、あたし。


はるるんと別れて、すぐ来た電車に乗ったあたし。


それで降りた最寄り駅からダッシュで家に向かった。


家に着いたら、ドアを勢いよく明け、勢いよく閉めた。


ここまではいい。別に問題はない。


しかし、ここからが大問題である。


優季が玄関には出迎えていてくれて、あたしは優季に抱きついてしまった。


そして、泣いてしまった。


泣いてしまったのは毎度のこと。


けど、今回は一味違うのだ。



「鼻水、付けてスイマセンッ!」



盛大に彼の制服に鼻水をべっちょりつけてしまったのだ。


「別にいいし。…ほら、冷やせ」


と彼は気にしないご様子で、あたしに冷たいタオルを渡す。


あたしはそれを受けとり、素直に目に当てた。


ん?冷静になって考えると、あたし優季を押し倒してなかった?



「ァアアアアアアア!!」


「…んだよ」


「押し倒してしまってスイマセンッ」


あたし、絶対重かったって。


象くらいはないけど、重かったって。


しかも、…あたし、どさくさ紛れて、優季の首に手を回してませんでした!?


「ぎゃあぁぁあああああ!!」


「…るさい。近所迷惑だ」


「あ、そっか。ごめんごめん」


うわーあたし、ないわー。


優季を押し倒したうえに、抱きついた。


優季がお婿に行けなくなってしまうじゃないか。


「でも大丈夫。その時はあたしが貰ってあげるから」



「何の話してんだよ」


こつ、とデコに冷たい物を当てられた。


タオルを離して、見るとコップ。


「飲め。喉乾いてるだろ?」


「…あぁうん。ありがと」


優季を直視できんっ。


目を泳がして、目の前のコップを受け取った。





< 146 / 541 >

この作品をシェア

pagetop