シークレットガール!【完】
****
正気を取り戻しました。
うん、色々恥ずかしいことをしましたよ、あたし。
はるるんと別れて、すぐ来た電車に乗ったあたし。
それで降りた最寄り駅からダッシュで家に向かった。
家に着いたら、ドアを勢いよく明け、勢いよく閉めた。
ここまではいい。別に問題はない。
しかし、ここからが大問題である。
優季が玄関には出迎えていてくれて、あたしは優季に抱きついてしまった。
そして、泣いてしまった。
泣いてしまったのは毎度のこと。
けど、今回は一味違うのだ。
「鼻水、付けてスイマセンッ!」
盛大に彼の制服に鼻水をべっちょりつけてしまったのだ。
「別にいいし。…ほら、冷やせ」
と彼は気にしないご様子で、あたしに冷たいタオルを渡す。
あたしはそれを受けとり、素直に目に当てた。
ん?冷静になって考えると、あたし優季を押し倒してなかった?
「ァアアアアアアア!!」
「…んだよ」
「押し倒してしまってスイマセンッ」
あたし、絶対重かったって。
象くらいはないけど、重かったって。
しかも、…あたし、どさくさ紛れて、優季の首に手を回してませんでした!?
「ぎゃあぁぁあああああ!!」
「…るさい。近所迷惑だ」
「あ、そっか。ごめんごめん」
うわーあたし、ないわー。
優季を押し倒したうえに、抱きついた。
優季がお婿に行けなくなってしまうじゃないか。
「でも大丈夫。その時はあたしが貰ってあげるから」
「何の話してんだよ」
こつ、とデコに冷たい物を当てられた。
タオルを離して、見るとコップ。
「飲め。喉乾いてるだろ?」
「…あぁうん。ありがと」
優季を直視できんっ。
目を泳がして、目の前のコップを受け取った。