シークレットガール!【完】



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「まだ足りない………」


「どんだけ食うんだよ」


「まだ全然食べてないじゃないですか‼」


「かき氷2つに、わたあめ。あげたこにたこ焼き、たい焼きも食べ、フランクフルトと3つ。……これ以上何を食べたいのー」


はるるんが疲れたように言う。


「あ!!足りないと思ったのは、焼きそばを食べてないからだ!」


「………………」


「……………………」


「ほらほら、突っ立ってないで!行きましょう!焼きそば帝国へ!」


「……………」


「………………」


もう、仕方ないなぁ。


あたしはまた彼らの腕を掴み、引っ張る。


花火大会。あたしは花火そっちのけで、食べ物を食い漁っていた。


だって、花火って、2、3時間打ちっぱなしだよ?


最後の30分くらい見てれば満足。


これが美沙ちゃん論である。


それに、なんか花火っていい気がしない。


綺麗なんだけど、大きな音が苦手だ。


心に響くような、揺れるようなそんな花火の音が苦手。



「おっちゃん!焼きそば1つ!」


「威勢がいいね!美人なお姉ちゃん!おまけだよ!もう1つ貰って!」


祭りの屋台は好きである。


美味しいのは勿論だけど、みんな優しい。


高確率でオマケが貰える。


志貴先輩達にいうと、お前の顔が原因だ、と言われた。


意味不明だったので、無視しておいた。


「志貴先輩、いりますか!?焼きそば!アーンしましょう!」


「…いらねぇ」


「美沙ちゃん、俺欲しいなぁー」


「はい、はるるん。お箸渡すから自分で食べて」


「志貴との扱いの差がほんとえげつない」


知るかよそんなの。


彼の言葉を無視して、わり箸を1本とりだして、割る。


「ん」


割ってやったぞ。これで文句はないでしょ。


「アーン、は?」


「するわけないじゃん」


そこまであたしは優しくないっての。






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